研究室生の読書メモ:五月祭かき氷 & おススメの一冊 (担当:十河)

投稿日:2024.05.30

投稿者: 共通田中研究室

(図2:奥行きをなくした顔の時代 (米澤&馬場 2021)の表紙)

みなさん、こんにちは!M2の十河です。本郷キャンパスでは五月祭も終わり、ジメジメとした梅雨入り前の湿気を感じる季節になりました。今年の五月祭では、ゼミの留学生メンバーが中心となり、かき氷店を出店し、行列も出来て大盛況のようでした。私もパンダかき氷を食してきました!

(図1:五月祭に出店した研究室所属メンバーのかき氷の店舗の様子)

(図1:五月祭に出店した研究室所属メンバーのかき氷の店舗の様子)

さて、本日は、最近読んだ面白い本を紹介したいと思います。

 

『奥行きをなくした顔の時代 イメージ化する身体、コスメ・自撮り・SNS』米澤泉・馬場伸彦 (晃洋書房2021年)

 

「奥行き」とは、肖像写真から読み取られる人格、感情、記憶、社会的関係性など、その人の外見を構築するさまざまな要素と定義されています。そして、本の帯には「デジタル時代の顔のトリセツ」とあり、デジタル時代における顔とアイデンティティについてさまざまな側面から述べられています。

私たちは「リモート映え」という新しい生活様式における顔のあり方を求められている、それは、顔を自己コンテンツとして、可能な限り演出することであり、フィジカルな顔にとらわれることなく、デジタル・イメージとしての顔を表象することであるという、興味深い示唆があります。

特に、TikTokやInstagramを始めとする魅せるSNSでは、「どう見られるのかより、どう見られたいのか」を表現するような特性もあると思います。筆者のいうところの、フィジカルな本人の姿よりも、SNS上のイメージがむしろ「私」として評価される、「本当の私」とは、本来そうであるはずの「私」、つまりデジタル上で編集された理想的な自己イメージのことになったのだ、と現代ならではの鋭い指摘もありました。

本書は、化粧、プリクラ、ものまねメイク、コスメアプリ、プチ整形、自撮りなどなど、1970年代から現在までの、日本のファッション文化や流行にも触れられており、デジタル時代の「顔」とアイデンティティが、とてもわかりやすく描かれている一冊です。

(図2:奥行きをなくした顔の時代 (米澤&馬場 2021)の表紙)

(図2:奥行きをなくした顔の時代 (米澤&馬場 2021)の表紙)

本ブログでは、ゼミの素顔?に近いありのままの雰囲気や活動を、今年度も紹介していきたいと思っております、引き続きよろしくお願いいたします。最後までお読みいただき、ありがとうございました♪